2025年の医療事故発生報告、手術で多いのは/日本医療安全調査機構

提供元:ケアネット

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公開日:2026/04/15

 

 医療事故調査制度(医療法)における医療事故調査・支援センターの業務を行う日本医療安全調査機構は、2026年3月18日に2025年の年報を公表した。この調査は医療法第6条の16に基づき医療事故調査の相談・支援、院内調査結果の整理・分析を行い、医療事故の再発防止の普及・啓発などの取り組みのために行っている。

 主な概要は以下のとおり(主要項目から抜粋)。

【相談の状況】
・相談件数は2025年2,161件(前年2,043件)だった。
・相談者別の相談件数では医療機関は266件(前年273件)、遺族等は231件(前年284件)だった。

【医療事故発生報告の状況】
・医療事故発生報告の状況では2025年は375件(前年349件)だった。
・都道府県別医療事故発生報告件数では、東京都が457件、神奈川県が244件、愛知県が237件の順で多かった。その一方で、福井県が8件、和歌山県と高知県が15件の順で少なかった。
・都道府県別人口100万人当たりの医療事故発生報告件数(1年換算)では、京都府と大分県が4.9件、三重県が4.6件の順で多かった。その一方で、福井県が1.1件、埼玉県が1.6件、和歌山県が1.7件の順で少なかった。

【院内調査結果報告の状況】
・院内調査結果報告件数は360件(前年329件)だった。
・起因した医療(疑いを含む)の分類別院内調査結果報告件数では、「手術(分娩を含む)」が158件、「処置」が39件、「医療機器の使用」が28件だった。
・手術(分娩を含む)の内訳では、「経皮的血管内手術」が29件、「その他の内視鏡下手術」が28件、「開腹手術」が27件の順で多かった。また、2016~24年の平均値は145.3件、2025年は158件だった。
・患者死亡から院内調査結果報告までの期間(中央値)は400日(前年374日)、患者死亡から医療事故発生報告までの期間(中央値)は39.5日(前年42日)だった。
・解剖の実施状況について院内調査結果報告件数は360件のうち「実施あり」が100件(前年114件)、「実施なし」が257件(前年211件)、「不明」が3件(前年4件)だった。
・解剖実施ありの100件の内訳として「病理解剖」が68件(前年75件)、「司法解剖」が29件(前年36件)、「行政解剖」が2件(前年2件)、「死因身元調査解剖」が1件(前年1件)だった。
・死亡時画像診断(Ai)の実施状況について、院内調査結果報告件数の360件のうち「実施あり」が120件(前年105件)、「実施なし」が233件(前年215件)、「不明」が7件(前年9件)だった。
・解剖とAiの実施状況の内訳では「解剖のみ」が58件(前年74件)、「解剖とAiの両方」が42件(前年40件)、「Aiのみ」が78件(前年65件)だった。

【医療事故調査・支援センター調査の状況】
・医療事故調査・支援センター調査対象件数と依頼者の内訳では、「医療機関からの依頼」が13件(前年8件)、「遺族からの依頼」が28件(前年32件)だった。

(ケアネット 稲川 進)

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